「運命の扉 NO.8」 ~ 恋愛幻夢(れんあいげいむ) ~

『運命の扉 NO.8』 ~ 恋愛幻夢(れんあいげいむ) ① ~

彼女は、まだ未だに「幻の男」に恋している。

彼女の話を聞いているうちに私は自分の頭がおかしくなったような気がした。

それは予約メールが彼女から届いた時から始まった。

彼女の予約メールはもしコピーしたらA4に5枚くらいには、なるだろうと思うほど
長いメールだった。

その内容は私への相談事は一行も無く、彼女のこの2年間のある男との恋愛話が
細々と書かれていた。

メールの中での二人は楽しそうに笑い、将来は二人で喫茶店を開くという夢を持ち、
時にはチョットした言い争いで喧嘩をしたりで、ごく一般的な恋人同士のように見えた。

メールのラストでも今彼とメールで話した後、私にメールを書いていると綴られていたので、
その長い幸せそうなメールを読んだ私は単純に始めは
『結婚の時期でも知りたいのかな?』と思った。

ただ彼女の鑑定予約日が近づくにあたり、あの長い長いメールが何故か気になり出した。
何度読んでもオノロケとしか思えないこの長いメールに、私は何故か不安を覚えるように
なっていた。

相談事が何一つ書いてなかったからかもしれない。
あまりにも幸せ過ぎたメールだったからかもしれない。

何か?何かが、おかしい・・・!
でも一体何が・・・?何かが、他の文と違う・・・!
どう考えても、おかしいのに・・・。
おかしい筈なのに、私にはそれが何かを見つける事が出来なかった。

それは彼女が鑑定日に来て、彼女の話を15分も聞いても解らなかった。
彼女はメールに書いてきた事を重複するように楽しそうに私に向かって話をしていた。

ただ私の不安だけが心の何処かで消えず、彼女の話を聞けば聞くほどモヤモヤは
かえってドンドン大きくなっていく気がしていた。

私はいつ彼女の話が本題に入るのだろうと自分の心とは裏腹に、彼女の幸せそうな顔を
見ながら不安を見せまいと明るく頷いていた。

彼女の話を聞いているうちに、いつしか私はすっかり彼女の世界に引きずり込まれようと
していた。

その時ふと、こんなに彼女を幸せにしている男はどんな人なのだろうと思った。
私自身チョット羨ましかったのかもしれない。

その瞬間、急に今まで抱いていたモヤモヤが霧が晴れるように澄み渡り私の頭の中を
明確にした。

それは、彼女のメールにも話にも、彼の姿形が現実のものとして私には見えてこないと
いう事だった・・・。

『幻の男・・・?』

『エッ?じゃ彼女は誰に恋をしているんだろう?』
『いや、誰と恋愛をしているんだろう?』



②につづく

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