「運命の扉 NO.9」 ~ マリッジ・ブルー ~

『運命の扉 NO.9』 ~ マリッジ・ブルー ① ~

「おめでとう!良かったじゃない!」
電話の向こうで、弾む彼女の顔が見えるようだった。

彼女はこの2年間、結婚する為にかなり努力をしてきた。
その彼女が結婚が決まった報告と結婚前にもう一度改めて占って欲しいと鑑定予約の
電話をしてきた。

この2年間、新しい出会いがある度にメールをくれたり、電話で話したりしていたので、
まるで私も彼女と一緒に恋をしてきたように彼女の恋愛遍歴には詳しかった。

彼女は昨日泣いていたかと思うと、今日は新しい出会いがあってルンルン気分で・・・と
言った様に毎日が凄い勢いで廻っていた。

彼女が結婚を急ぐにも理由があった。
彼女は彼女の母親が病弱だった為、一人っ子で小さい頃から、自分は結婚したら、
たくさん子供を生んで賑やかな家庭を作るのが夢だった。

しかし彼女の思いとは裏腹に仕事で実力を認められ、ふと気が付けばすでに結婚適齢期を
過ぎ、ましてや子供を生むには高齢出産間近の年齢になっていた。

仕事が忙しかったせいもあり今まで付き合っていても結婚に結び付けようとは考えなかった。

そんな中での、彼女との出会いだった。

「未婚の母とか、子供だけ欲しいんじゃないんです。
旦那さんが居て、子供がたくさん居る、明るい家庭が欲しいんです」

彼女の話では仕事も別に順調だし問題もない、会社では彼女の地位もしっかりしている、
結婚しても出産しても辞める事はないと言ってくれている。
最近、上司からも結婚の事を心配して頂いて、何人か紹介されたという話だった。

私には結婚運と子供運はあるのか心配になって、占いに来たと言っていた。

比較的、晩婚運だったので40歳を前に良い時期に彼女は自分の人生を見直したと言える。

子供が最低でも3人は欲しいと言う彼女には限界ぎりぎりの年齢だ。

占いでは本人の意識が一番大切で、今は結婚を考える時期としても悪くないという事を
アドバイスしたが、彼女自身の明るい性格も手伝って、彼女にはドンドン結婚相手の候補が
現れた。

それが、この2年間、ギッシリ詰まった彼女の恋愛なのだ。

私も彼女の電話にホッとした気持ちだった。
そして何よりも自分の事のように彼女の結婚が決まった事が嬉しくてしょうがなかった。

しかし鑑定日に現れた彼女は電話の時とは別人で、顔には吹き出物ができ、目の下は
真っ黒の隈を作り、いつもの明るさはなくグッタリ疲れているようだった。

「どうしちゃったの?」私は彼女の変わりようにビックリして慌ててしまった。

彼女はいわゆる『マリッジ・ブルー』になっていた。


②につづく

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