「運命の扉 NO.10」 ~ 海に溺れた月 ~

『運命の扉 NO.10』 ~ 海に溺れた月 ② ~

彼女の心の叫び声が震える肩から今にも聞こえそうだった。
どのくらい彼女は、こんな思いをしたら終れるのだろうか?
あと何日、何ヶ月、いや何年泣いたら・・・、彼の事を忘れられるのだろうか?


私は軽いめまいを感じながら息が出来ない錯覚に襲われた。
泣き崩れたままの彼女の横で、私の頬に明らかにそれと解る涙が
今再び私を思い出の中で溺れさせようとしていた。

『海に溺れた月』

私は長い時の中で、どうしようもない自分の思いをコントロ-ル出来ない自分に
戸惑い悩み落ち込み我が身を波に預ける事を選ばざるをえなかった。

彼女はどうするのだろう?

『不倫』は確かにいけない事なのだろう。
言葉通りに。

しかし『不倫』は女を育てる。
そして男を育てる。人を育てる。
「浮気」とは違う。

限られた時間で、すべてを埋めようとする為、思いの限りを相手にぶつける以外何もない。
そして相手も同じ思い・・・。
二人は時の落とし穴にそっと身を寄せ、その空間だけで違う時間を作り出してゆく。

誰にも邪魔されない、何物にも変えられない、それだけで幸せな思いになり、その日1日が
かけがえのないものに変化していく。


もう・・・終わり、終わりにしなければ・・・。

彼女の携帯が鳴り、現実に戻された私は大きく息を吸い込んだ。
その時、唇の渇きに潮の香りがした・・・、気がした。

「電話、出たら?」
「いいんです。この時間だと彼だから」
彼女の目は真っ赤に染まり、終れない思いの中で彼女は独りぼっちで佇んでいる。

彼は絶対離婚はしない。
奥さんも子供も大好きで、家庭には何の問題もない。
夫婦の間に別れる理由は何もない。

確かに、そうなのだ。
『不倫』が出来る殆どの男は家庭が本当に上手くいっているから外で活躍出来るのだ。

『不倫』を自らやめるには相手との距離を置かなければならない。
彼女は不倫相手と同じ職場。
例え、仕事を変えたとしても今は携帯電話もありメールもある。
昔のように連絡が一切取れなくなる事は不可能に近い。

彼女は彼の事は抜きにしても今の仕事は続けたいと言う。
こんな風に思えるようになったのも最近の事で、少しは自分の事も大切にしなければと
思えるようになったらしい。

嫌いになる以外、彼女は不倫相手と別れる事は出来ないだろう、きっと。

彼女の鑑定は決して不倫をしてしまう運勢ではないが、時期によっては、ありえる。
彼女は雨水の人で相手は大岩の人という関係で、傷つけられても、でも許してしまう、
特別な関係にある。
彼に惹かれるのは、当然の事なのだが・・・。

彼女自身は普通に結婚できるが、恋愛の形が人に見つかり難く、いわゆる表に
出難いという恋愛の形の為、周りの応援がまったく得られず、自分自身のパワーが
弱い時期になると相手次第ではずるずると引きずられ易く、
いつの間にか相手のペースにはまるという運を持っている。

しかし、それは決して『不倫』の恋を意味しているものではない。

彼女にはその事を一応説明した。
そして本当に彼女が別れたいと思うなら、彼女のパワーが強くなり彼女自身で色々な事が
しっかり判断出来る時期でないと無理ではないかと教え、彼女のパワーの強くなる時期を
指示した。


③につづく

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