「運命の扉 NO.16」 ~ マザコン男の反乱 ~

『運命の扉 NO.16』 ~ マザコン男の反乱 ③ ~

1週間経っても電話は無かった。
1ヶ月経っても電話は無かった。

半年経った頃だった。
突然、お母さんから電話が入った。
「先生!息子が出て行くって言うんです!
どうしたらいいんでしょう?」
今度は怯えている様ではなく泣き声だった。

「お母さん大丈夫ですよ。
出て行きたいなら、出て行ってもらえば良いじゃないですか!放って置きなさい!
息子さんは大人なんですから」

話を聞けば、この半年かなりの格闘があったらしい。
息子が暴れたり泣き叫んだりして、警察のお世話にもなったと言っていた。

私は責任を感じながらも、前に進むしかないと思った。
ただ一つ救われたのは、お母さんは必死で「子離れ」しようと闘っている事だった。
この半年、お母さんは一人で息子さんと闘ってきた。
私は母親というのは本当に強いな~と感心した。

電話の最後に私が
「大丈夫ですか?」と、言うと
「大丈夫です。
先生に言われて、気が付いたんですけど、私が死んだら、
あの子は一人で生きていかなければならないという事です。
その為には、私が今強くならなければ・・・」
私はその言葉で本当に救われた。

遠慮しないで何回でも電話して構わないという事を伝えて電話を切った。

この2年、1ヶ月に一回くらいの割合でお母さんは私に電話を掛けてくる。
今では息子さんとの揉め事よりお母さんの愚痴を聞いてあげる事が多くなった。
相変わらず格闘は続いていたが、息子さんは今は別に暮らし始めている。

やっと『子離れ』『親離れ』が本格的に始まろうとしていた。

後、何年掛かるだろうか?
でもお母さんは死ぬまで掛かっても、やり遂げるだろうと今ではハッキリ思える。

どうぞ勇気を出して最後まで正面から子供と向かい合う事を諦めず頑張って欲しいと
心から願うばかりである。

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