「運命の扉 NO.19」 ~ 占いと神経系の病気 ~

『運命の扉 NO.19』 ~ 占いと神経系の病気 ② ~

彼女は小学校から虐めに合っていた。
中学でも、高校でも・・・。
そのせいか人間不信になっており、大学に入ってからも周りに溶け込むことなく
無視されたまま友達も出来なかったらしい。
就職はしたものの、周りに馴染めず首になっており職場を4回も変えていた。

彼女の話は普通では理解出来難い事が沢山あり、かなり彼女は被害妄想的な考え方を
していた。

一番彼女の話で私が不可解に思ったことは、小さい頃から彼女が虐めに合っていた事実を
両親が知らないと言う事だった。
又小学校と中学は同じ学区内に行く事が多いので、続けて虐めに合う事も考えられるが、
高校はかなり範囲が広くなるので高校を機に虐めに合わなくなったという例が多いので、
その事にも疑問が残った。

ただ彼女が本当の事を言っているか、どうかが問題だが・・・。

私は本当のところ、彼女が専門の医師に相談した事があるかを知りたかった。
一度でも相談をしていれば彼女にアドバイスをする範囲が広くなるが、
していない場合本人が病気ではないと思っている以上、病院の話をすれば
「私は病気じゃない」と逆上する可能性がある。

当然ドモリがちに話しているのだから時間は掛かるが、被害妄想的な思いを話す時は人が
変わったように彼女は興奮して早口になり、職場の同僚の事をとても口には出せないような
汚い言葉でなじったりした。
その声は大きくヒステリーな声にも聞こえた。

私も最初はビックリしたが何にも無かった振りをして、彼女の話を聞き続けていた。
どこかで・・・、彼女の話の中で病院の話が出来るチャンスがあるのではと思い続けていた。

彼女は今まで言えなかった事を、私に向かって敵(かたき)にでも会ったかのように
次から次へと話し続けていた。

いつの間にか彼女の話は、すべて悪いのは周りで、会社に遅刻するのも、
仕事が出来ないのも、他人のせいにしていた。
それは凄まじいものになっていた。
「隣のあの女は、私にだけ声を掛けない!」
「あの上司は、私だけ差別している!」
「私が入れたお茶は、汚いから飲まないで捨てている!」
「課長は、仕事が出来ないくせに私に命令する!」
「私を薄気味悪いと言って無視している!」

彼女の今まで口に出せなかった思いは矢継ぎ早に私の頭を超えて行った。
しかし1時間以上経ってもチャンスは来なかった。

私の中でいつしか彼女が病気だという事を忘れそうになりかけた頃、やっと彼女の話の中に
チャンスを見出した。

「最近、隣の住人のせいで、全然眠れない!」
「あいつは、私を眠らせない為に、わざと毎日煩くしているんだ!」

初めて私は彼女の話に口を挟んだ。
今を逃しては言う時は無い。
時計の針は15:42を指していた。
彼女が話し始めて、丁度1時間と30分後の事だった。

「眠れないんじゃ、疲れるでしょ?病院で睡眠薬とか貰ったら、いいのに!」

彼女の時間が止まった。


③につづく

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