「運命の扉 NO.20」 ~ あの人を殺して ~

『運命の扉 NO.20』 ~ あの人を殺して ② ~

「彼はチョット女癖が悪いかな、それとも女に迷うか・・・。全体的に女性に関しての問題が
長じ易いかも・・・」
「そうですか・・・、彼って結婚出来るんですか?」
「チョット待って、鑑定表にしてみるから」

彼女の表情は今までと何も変わらなかった。
ただ声のトーンが少し下がった気がした。
私は依頼人の女性が彼の事や男性運に付いて聞く時は、声の調子や話し方が
変わったりするのであまり気にしないで鑑定表を見ながら話をしていた。

「結婚は出来るよ。でも時期が大切だね、彼の場合は!」
当然の如く私は自然に彼女と彼の鑑定表と比べながら二人の相性を見始めていた。

「あっ、二人は干合の関係なんだ!」

四柱推命ではとても無理なのに好き合うという関係同士の五行十干があり、
彼女と彼はその間柄にあった。

例を言うと、
五行十干で大木の人は枝が沢山有れば斧で整える事が大切になるが、
五行十干で花の人は斧では切り刻まれてしまって花が駄目になってしまうのに、
花と斧は好き合う関係にある。
大木と斧ではないのだ、花と斧。

所謂あまり良い関係ではない、駄目なのに、嫌なのに、許してしまう関係なのだ。

他に例を言えば、
大海の空にある太陽は海の水に照らされて落ち着きを戻し、
又海の水は太陽によってキラキラ光るというように明らかに良いのだが、
大海の水は太陽ではなく人工の火とこの関係にある。
人工の火とはロウソクや焚き火なので大海の水でなくても水がくれば消されてしまうので
絶対水は駄目なのに、大海の水が好きなのである。

この関係にあるとなかなか離れがたい関係になり、
別れようと思っても簡単には別れられないという特徴がある。
現にこの関係の二人で夫婦になっている人も多いし、恋愛関係にある恋人同士も多い。

ただ、この関係で恋愛関係や夫婦生活が上手くいくかと言ったら必ずしもそうではない。
むしろ厳しい事の方が多い。

例え離れ難い関係でも無理にも断ち切らなければならない場合もある。
日干が弱い五行十干にあたり、
又日干のパワーが明らかに弱い場合はこれは無理にも離れた方が幸せなのである。

彼女と彼はまさしくその関係にあった。

「私達って、どうなんですか?」
彼女の問い掛けに、我に返ったように私は鑑定用紙から目を上げた。

その瞬間・・・、私は自分の目を疑った。
そこには別の女が居た。
あの明るい笑顔の彼女は居なかった・・・。
別人になった彼女が、般若のお面を付けた彼女が私を見つめていた・・・。

「どうなんですか?私と彼!」
話し方も語尾がきつく強くなっていた。
私は彼女に脅されているような印象を受けた。

「二人の事をチョット聞かせて?今付き合っているの、それとも好きな人?」
私は慌てて言った。
彼女は何も言わない。

「どんな状態なのか教えてくれなかったらアドバイス出来ないよ」

それでも彼女は何も言おうとしなかった。
般若の顔はそのまま彼女に大きな影を落としていた。

憎しみなのか・・・、悲しみなのか・・・、
彼女は間違いなく私の先の男を見ていた。

「うまくいってないのかな~、彼と?それとも・・・、別れた相手?」
10分くらい経っても何も彼女は言わなかったので、
私は独り言のようにブツブツ彼女に問い掛けていた。
「話して欲しいな、少しでもいいから」

それでも般若の彼女は私の顔をずっと見ていた。
どのくらい経っただろうか、
私は普段言わないことを口にした。
「もし、彼と付き合っているなら、別れた方がいいと思う。
彼と一緒だと貴方が苦労すると思うよ」

私の言葉の語尾をかき消すように、彼女が突然呪いの言葉を叫んだ。

「あの人を・・・、あの人を殺して!」


③につづく

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