「運命の扉 NO.28」 ~ 曖昧な関係 ~ 

『運命の扉 NO.28』 ~ 曖昧な関係 ① ~

同棲も長く続くと結構困った関係になっていく。
出口のないトンネルとなって暗闇を彷徨う事にも成りかねない。
結婚の意志表示の無い男と現状に不安を感じている女の沈黙の戦いは
女性側の勝手な思いだけで幕を下ろせないでいる。

「気が付いてよ、私今年で30歳になるのよ!もう同棲して7年だよ!
いつまでこの同棲関係やっていればいいの?結婚する気は無いの?
だったら、早く別れなきゃ・・・、でもいまさら・・・」
女の心の声が叫んでいた。

同棲を始めた頃はこんな事になるとは思ってもいなかった。
その道は確実に結婚へのプロローグとしてあった。

「結婚する前に、一度一緒に暮らさない?」
彼の軽い誘いに結婚を夢見て大喜びでYESの返事をした。
「そうだね、一度暮らしてみないと分からないもんね!」
その返事にはまだまだ余裕があった。
その先にニンジンのように「結婚」という2文字がしっかり見えていたから。
その時の男の思いも決して嘘ではない。

ままごとのような二人の生活が始まる。
二人で御飯を作ったり、掃除をしたり、洗濯をしたり、夢を語り合ったり、
もちろんSEXだって毎日のように繰り返される。
何をしても楽しい、・・・二人なら。

半年も経たない頃には同棲生活でも役割が決まってくる。
二人でしていた事が少しずつ減ってくる。

それが自然で当たり前のようになった頃には、毎日同じ会話が繰り返される。
「今日、何食べたい?」
「あっ、今日遅いから勝手に食べていいよ・・・」
「あっそう、遅いんだ・・・」
決められたせりふを言う為に毎日同じ舞台が開く。

もう二人の間では夢は語られない。

何か片方に事件でもあって・・・、例えば新たに好きな人が出来て別れる事になってしまえば、
その時点で同棲を中止しなければならないが、知らぬ間に通り過ぎてしまえば
そのまま同棲生活は続いていく。

7年も経てば二人は夫婦のように暮らしていて、お互い何の不自由も無い。
結婚でも、別れでもない。
止まってしまった二人の時間。

「いまさら、結婚の話は出来ない。そうかと言って、このままでは嫌!
別れるには、彼に未練もある。でも、30女がもう一度新たに初めから恋愛する自信もない!」

「どうしたら、いいんですかね?彼って結婚運が無いんですかね?」

一番困ったパターンの相談だ。
「腐れ縁」と言うのが良い結果に繋がれればいいが、彼女の年齢も微妙なので、
なおさら難しい。
一番良いのは今の同棲相手と結婚出来ればいいのだが、彼女の話を聞いていると、
とてもそうなるとは思えない。
彼は彼女と結婚する気は今では全く無いように思われる。

一応、彼の結婚を含めた女性運を鑑定する。
鑑定結果を正直に彼女に話す。
「結婚運もしっかりあるし、時期的にも女性運が回っている時だから、
いつ結婚してもおかしくないし、かなり今の時期は女性にもてていると思うけど」
「ああ良かった、結婚運はあるんですね」
彼女は私の言葉を良い方に解釈した。
「結婚運はしっかりある。・・・確かにあるよ」
私は彼女にと言うよりも、自分に言い聞かせるように言った。


②につづく

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