「運命の扉 NO.31」 ~ 復活愛にかける女 ~

『運命の扉 NO.31』 ~ 復活愛にかける女 ① ~

「あの~、この人と私の相性もみて貰っていいですか?・・・、もう別れた人なんですが・・・」

鑑定中に一番多い質問。
そして、それはすでに終わった恋・・・。
今じゃない・・・、過去の男との相性・・・。
遠い記憶の彼方から引き出した恋・・・。
彼女の人生においてきた恋人・・・。

何故終わった恋なのに・・・、といつも思いながら黙って私は鑑定をする。
どう私が答えても同じ反応をするだろうと思われる、たった一言の言葉。
「ああ、やっぱり!」

やいゆえよの「や」と小さ過ぎるほどの「っ」とぱぴぷぺぽの「ぱ」とらりるれろの「り」で綴らる、
ただの「やっぱり」なのに、彼女にとっては彼女の人生が沢山詰まった「やっぱり」

その一言があまりにも悲しく切なくて、いつも何も言わず鑑定してしまう私・・・。

それで耐えられるのなら、それで許されるのなら、それで頑張れるのなら、
それで自分を保てるのなら、それでもいいと思うなら、それで安心するのなら。
そしてこれから元気に生きて行けるのなら何度でも聞いてくれ!

女は面白い。
自分が女だから、そう思うのか・・・、凄く気持ちはよく分かる・・・。
どこかで自信が欲しい、確実な、私は間違っていなかったんだと・・・、
そう人に言える自信が・・・、いやそう言っている自分に自信が欲しい。

「行かないで・・・」
そう言った彼女の横で崩れたプライドの破片が散らかっていた。
「でも、仕方ないじゃないか!君がそう望んでいるのだから・・・」
違うと叫びたいのに、その崩れたプライドの破片を拾い集めながら彼女は口を閉じた。
その寝ぼけたプライドが彼女の邪魔をした。
「今の君の気持ちが全く分からないよ、僕に何を望んでいるのか!とにかく少し離れた方が
いいと思う」
そう言って去って行く彼の背中に彼女は呟いていた。
「何で、さよならって言わないの!いつもは・・・、言っていたじゃない!」

しかしその思いは彼には伝わらなかった。
3メートル、8メートル、20メートル・・・。
離れていく彼の背中。
今、今言わなければ、今、今彼を引き止めなければ、私達は終わってしまう。
分かっていても、分かっていても、どうしていいか分からない彼女の目から熱い涙が
こぼれた。
もう一度だけ、もう一度だけ、彼が振り向いてくれたら、このプライドは絶対捨てられる。
心の中の彼女が叫んでいる。
届け、この思い。届け、私の涙。
しかし彼女の思いの時間だけが一人過ぎていった・・・。


②につづく

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