「運命の扉 NO.31」 ~ 復活愛にかける女 ~

『運命の扉 NO.31』 ~ 復活愛にかける女 ② ~

彼女は言わなかった。
「やっぱり」と・・・。
その代わり鑑定書を食い入るように見詰めると、
「何とかして欲しいんですが・・・」と言った。
「ええ?何とかって?・・・だって別れたんでしょ?」

彼女と彼は3年も前に終っていた。
「ただただ、忘れられない。他の人と付き合ってもダメなんです、彼じゃないと・・・」
彼は同じ会社にいるので時々社内ですれ違う事もあると言う。
「彼に彼女がいるとか、どうでもいいんです。私・・・、彼と復活したいんです」
「でも、恋愛って一人じゃ出来ないでしょ?」
「何とかして下さい!」

何とかして下さいと言われても・・・、相手の事はどうでもいいんじゃ・・・、
占う必要もないんじゃないか・・・。
何を鑑定していいやら困りながらも私は彼女の話を聞く。

「嫌いになって別れた訳じゃないから・・・、何かあって別れた訳じゃないから、だと思うんです」
彼女と彼の別れは自然消滅でチャントした別れをしていなかった。

「もし、彼からしっかり別れを言われたら、諦められるの?」
「えっ?」
「だって、貴方の話聞いていると、貴方の中ではまだ終わっていないんだよね、
彼との恋愛が?」
私と彼女の間で会話が止まった。

もはや占いの結果なんかどうでも良かった彼女に、占いの鑑定の結果を
私はゆっくり話し出す。

彼女自身の結婚の時期を含めた恋愛や彼の結婚の時期、又彼との相性等など。
少し経つと最初は真剣に聞いていなかった彼女も時々質問もするようになっていた。

四柱推命でも「焼けボックリに火」という運を最初から持っている人がいる。
又めぐり合う人生の中で、その運が回ってくる人もいる。
しかしそれは基本的にはあまり良いものとされておらず、
結婚した人が、かつての恋人に同窓会などで再会してしまって不倫に発展する等、
ややこしい事に巻き込まれる事が多いので注意を促すようにしている。
この事も彼女に説明した。
勿論彼女も彼もその運を持ち合わせていないし、めぐり来る人生の中でもない。

「貴方と彼には、四柱推命の占い的には、焼けボックリに火は無いという事、
ただし占い的にはね」

そう私が言った時、彼女の背中がガクッと崩れた気がした。

彼女が占いなんかどうでもいいんじゃなくて、占いだけに賭けて私の所に来た事がこの時
分かった。
今となっては彼女にとって占いだけが彼女と彼を結び付ける唯一の赤い糸となっていた。

よく考えれば、彼と別れた後も同じ会社に3年もいてこの3年彼との接触は一切ないと
なれば、現実は彼女にとって相当厳しいものになっているはず。
話を聞いただけでも、彼女の彼への思いは凄まじいくらいに愛情で溢れている。
多分それは3年前付き合っていた頃となんら変わらないのだろう。
その愛情の行方が今は彼女と現実との間ですれ違って、彼女を苦しめ続けている。

「もう、限界だろう・・・」
そう呟いた私の言葉に彼女の手が震えていた。


③につづく

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