「運命の扉 NO.32」 ~ 許されない愛 ~

『運命の扉 NO.32』 ~ 許されない愛 ① ~

「私の生年月日以外に、後この二人との相性を見て欲しいのですが・・・」
私の隣に座った彼女は彼女自身の鑑定がある程度終わると、お財布の中から大切そうに
生年月日が二つ書かれたメモを取り出して言った。
「じゃ、その生年月日を言ってみて!」
彼女は自分の生年月日より少し年上の二人の生年月日を言った。

私は彼女から聞いた生年月日で鑑定書を作りながら彼女に尋ねていく。
「二人とも好きなの?」
「あっ、いえ一人は女性なんで・・・」
「えっ?」
驚きで顔を上げた私に彼女も気が付いて慌てて言った。

「いえ、私はレズじゃないですから!大丈夫です」
「ああ、ちょっと待ってね。こっちが男性ね。今鑑定書を作っちゃうから」
私はとにかく彼女から言われた生年月日から二つの鑑定書を作り始めた。

彼女はコンピューター会社にお勤めの32歳のOLだった。
見た目は普通のOLとなんら変わらなかったし、相談内容も仕事の事や結婚の事など、
一般のOL女性が聞きたい事を聞いてきた。

ただし、それは最初だけだった。
彼女が二つの生年月日を言う前だけの事だった。

普通の彼女の顔の奥に隠された本来の姿は・・・、義兄への許されない愛に思い悩み、
それゆえに自らの姉への嫉妬に狂うという煉獄で喘ぎ苦しむ救いがたい女性だった。

初めに彼女は女性の方の生年月日が自分の姉の生年月日とは言わなかった。
ただ自分との相性を聞きたいという前に、後から言った二人の相性を聞いてきた。
「えっ、なんで貴方との相性じゃないの?この二人は恋人同士か何か?」
彼女は少し躊躇して頷いた。
「じゃ、三角関係っていうこと?」
「・・・、そんな感じです」
歯切れが悪い彼女の返答が続く。
私はそれに関しては何も言わず、黙々と二人の相性について鑑定し始めた。

「彼と彼女の相性は結構いいね~。あっ、恋愛時期って言うか、恋愛運が同じ時に
回っているから、この二人の場合結婚の話が出たら、簡単に決まる可能性があるかも・・・」
「ああ、そうですか・・・」
私の言葉に肩を落として力が抜けた感じの彼女が独り言のように言ったのが印象的だった。
そして彼女はまったく私の存在を忘れたかのようにそのまま黙ってしまった。

②につづく

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