≪人間関係 親友の夫 NO.2≫

≪人間関係 親友の夫 NO.2≫

その後、依頼人の彼女の親友は鑑定通り結婚した。
彼女は最後まで凄く反対して結婚式にも出るつもりはなったようだが、結局は親友や親友の両親にまで説得されて、友人代表でお祝いの挨拶もしたようだった。

その親友が結婚して3年くらい経った頃、依頼人の彼女は私に初めて、その親友を紹介してきた。

親友の鑑定依頼と相談は私の想像以上に複雑だった。
基本は彼の言葉の暴力だが、話を細かく聞いていて分かったのだが、彼が話している内容はあまりにも陳腐で幼い考え方で、その上、言葉を知らないため、言い方が物凄くキツイ言い方になったり、言うタイミングも明らかに気が利かないのでズレてしまったりで・・・、
これは言葉の暴力と言うより、私には幼い子供の戯言のように思えた。
反撃さえすれば、十分対抗出来る範囲だった。

ただ、問題はこの親友が一人っ子で、結婚前から旦那がマスオさんになってくれる約束をしていたようで、この親友の両親と4人で暮らしている中で、旦那がこの親友の両親に対しても同じような口の利き方をしている事だった。

マスオさんになった事で、表向き世間的には彼は物凄くイイ人になっていて、やはり自然に周りから親友は「凄くいい人と結婚したね、両親とも一緒に住んでくれて、感謝しないとね」と言われていた。
親友曰く、両親に対しても自分と同じようなキツイ口の利き方をするので、自分はいいが、
毎日、両親が物凄く傷ついているのではないかと心を痛めていて、旦那がいない時に両親に何度も尋ねたが、両親はただただ「一緒に住んでくれるだけで、ありがたいんだから」と言うばかりで、本心は全く言わないと言う。
それで、親友はこの事について最近では少し精神的にも病んでしまい、病院にも通っている状態で、少し調子が良い時には自分が元気なので、離婚の事も視野に入れて考えるようになったと言う。

鑑定的には、子供も居ない状態で、今後も彼女には再婚出来る可能性もあり、その旦那との相性が良い訳でもなく、彼女が旦那と両親の間で相当精神的にも弱っている状態だったので、離婚する事も選択肢にある事をしっかり伝え、この先長い人生なので、周りではなく、本当に自分はどうしたいのかをよく考えた方がいいというようなアドバイスをした。

その後、依頼人の彼女が自分の仕事の件で鑑定依頼をしてきた時に、心配していたその後の彼女の親友の話を聞いた。

あの後、1ヶ月もしないうちに親友の両親が相次いで病気になり、病院へ入院したり手術をしたりで、この一年くらいその繰り返しで離婚の話どころではなくなったようだった。
親友の両親はかなり歳を取っていた。
そして彼女曰く、
「親友が言うには、両親が歳を取った事もあるけれど、病気をしてすっかり耳が遠くなってしまったらしく、話をしていても1回では聞き取ること出来ないくらいになってしまったので、旦那のキツイ言葉も今ではすぐに理解出来ず、それが反対に救いって言っていた」
私は彼女の親友がそれで気が楽になったなら、それは、それでいいと思った。

彼女の話は続いた。
「親友と二人だけで食事したり飲んだりする時は、親友も凄く元気で明るいんだけどね、旦那が居ると、とにかく、まるで親友は別人になってしまうの!
親友を食事や飲みに誘うと、殆どの場合、旦那も一緒に来てしまって、毎回不愉快な気持ちになるので、親友にはハッキリ二人で飲みたいからと言って、旦那には声を掛けない様に言っているんだけど・・・、親友も旦那に一応言っているみたいだけどね。
又あの旦那が馬鹿と言うか、全然気が利かないから、平気で付いて来ちゃうんだよ!」

そして、毎回最初に旦那を紹介された頃と全く同じような状況になって、相変わらず旦那は大した事でもない話でも親友に対して上から目線で偉そうに話をしたり馬鹿にした口の利き方をしていて、
親友も親友で、昔の親友なら彼女に対して気まずい顔したり困った顔を見せたりしたのに、今ではすっかり親友は旦那のキツイ言い方にも慣れてしまってようで、彼女だけがその状態を見せられて不愉快の思いをさせられイライラしているようだった・・・。

それが、どうも、最近では彼女に対しても親友の旦那は同じような口の利き方をするようになって、彼女自身が大変不愉快な思いをしているのだが、親友はそれにも気づかないようで何も言わず黙っているので、その事も彼女を大変怒らせていた。

「親友と彼女の両親の叔母さんや叔父さんは親友の旦那が一緒に住んでくれた事に異常なほど、恩を感じているんだよね。」
彼女も親友の家で親友の両親が旦那からキツイ事を言われているのを何度も目撃していた。
「見ていて、叔父さんも叔母さんも何も言わないから、凄く切ない気持ちになる!」

その後、その日は彼女が仕事の件で私の鑑定通りになって凄く上手くいったから、私に是非御馳走したいと言って、普段ならこういうお誘いを私は受けないのだが、あまりにも彼女が嬉しそうで熱心に誘うので、甘える事にして、彼女の行きつけの店で私達は食事をしていた。
偶然、そこに彼女の親友が旦那とやって来て、店の都合もあり、同席する事になってしまった。
私は凄く嫌な予感がした。

「御両親の事、大変だったわね?」軽い紹介が終わり、旦那も親友が私の鑑定を受けた事を知っていたので、私はさり気なく彼女の親友に言った。
「急に・・・、両親が」と彼女が話し始めた時、旦那が横から口を出してきた。
「そうなんですよ、お義父さんの具合が悪くなったら、続けてお義母さんの具合も悪くなっちゃって、お義父さんとお義母さんには長生きしてもらわなくちゃ!なんたってマンションのローンを一緒に払っているんで、まだ死なれちゃ困るんですよね!」
その言葉に私達三人は固まった、そして、その場の空気は凍り付いたようだった。

しかし、親友の旦那はその変化にも全く何も気づかず、しゃべり続けていた。
「ローンがまだまだかなり残っていますから、お義父さんとお義母さんの年金で~~~」
もう旦那が何を話し続けていても、私の耳には届かなかった、私は呆れていた。
そして、旦那の話はもうウンザリと言う気持ちで、私は彼の話を遮るように
「でも、もう御両親は自宅に戻ったのでしょう?」と親友の方に話しかけた。
「あっ、はい・・・・」親友は急に我に返ったようで慌てて顔上げて言ったが、その顔は青ざめ、そしてその親友の唇は細かく震えていた。

そして、よく見ると、テーブルの下で組まれた親友の両手も小刻みに震えていた。
私と依頼人の彼女が親友を見つめていたので、それに気が付いた親友は慌てて私と彼女に向って作り笑いをした。
多分、それは依頼人の彼女が久しぶりに見た親友の動揺と戸惑いの姿だったようだ。

NO.3につづく

この記事へのコメント