≪自分の子を叱れない母親 NO.2≫

≪自分の子を叱れない母親 NO.2≫

とうとう彼女の子供は泣き始めた。
それでも、彼女はまだ同じ行動を続けていたので、私は意を決して、少し大きめな声で
「泣いたら駄目!」と言った。
その私の声に驚いたのは彼女の子供以上に彼女で、彼女はその場で立ち尽くして、子供は少し引きつりながら泣き止んだ。
「何をしたいの?」と私が言うと、子供はそのまま固まって立ち尽くしている彼女の足に絡みつきながら、彼女の後ろに隠れたが、その陰から私の顔をしっかり見ていた。
私がソファから立ち上がり、「ここにお座りして!」と彼女の後ろに隠れて私を見ている子供に手を出すと、子供はすぐに私の傍に来た。
私が子供を抱っこしてソファに座らせると、子供は黙って大人しく、そのまま座った。

私が口を出した事で、彼女の子供はこの場所の主人が私でここでは自分の勝手な事が出来ない事を悟ったようだった。
そして、私が今度は笑いながら、「パンツ見えていて恥ずかしいよ!」と子供のおむつを触ると、その子は女の子特有の恥ずかしそうな顔しながら、今度は急にケラケラ大きな声で笑い始めた。
そして、私がもう一度おむつに触りながら、「ほら、恥ずかしいよ、まだ見えているよ!」と何回か言うと、今度は物凄く恥ずかしそうな顔しながら、一生懸命両手おむつを抑えながら大声で笑った。

彼女はその子供の笑い声で初めて我に返ったのか、この状態に気が付いて、彼女も子供の横に座りながら、「すみません!すみません!」と何度も繰り返しながら私に頭を下げていた。

それで、私は彼女に言った。
「こちらこそ、大きな声を出してごめんなさい。
でもね、今何がすみませんって貴方は私に謝っているの?この子が泣くこと?愚図ること?私はこの子が愚図ぐったり泣いたりする事には全然怒っていないし、まだ赤ちゃんだから泣くのが仕事で当たり前だから、気にしていないよ。
でもね、この子はもう自立が始まっているから、自分でちゃんと何をしたいか表現しようとしているのだから、ちゃんと、それを見ていてあげなきゃ!
それで、叱る時はちゃんと叱らなきゃ!

結局、貴方のやっている事は周りに迷惑かけないようにと思って最初に貴方がドンドンやってしまっているけど、この子の気持ちはどうなの?
この子はお腹なんか、今全然空いていないと思うよ!
このままじゃ、この子は何処でも何でもママがやってくれたり、何処でも好き放題やっても許されると思って育っちゃうと思う。
現に今、この子は私が言った事で、ここがどういう場所でここでは自分の我儘はきかないという事しっかり覚えたよ!だから、子供の事をしっかり見ていて叱る事も凄く大切だと思うよ!
まだ小さいし、可愛いのは凄くよく分かる!
でも、前に言ったと思うけど、貴方の過保護がこの子の成長にブレーキをかけてしまったら、この子が本当に可哀想だよ。もうこの子も3歳になるし、自我がしっかりしていて、自立が始まっているんだから、貴方もこの子の成長と同時に少しこの子から自立しなきゃあね!」

彼女は目にいっぱい涙をためて、しきりに頷いていた。
「私、私、私、子供が泣くとみんなに迷惑が掛かると思って・・・、慌ててしまう」
「そんなことないよ!子供を連れて行っていい場所だったら、何処でも子供が泣くのはみんな覚悟しているから、誰も気にしないよ!」

その後、鑑定が終わるまで、彼女の子供は私が与えた『電子辞書』が気にいったようで、キーボードを触りながらおもちゃ代わりにして黙って大人しく遊んでいた。

彼女からもその後、旦那さんから、最近になって同じような事を何度も注意されていて、
「なぜ、何でも甘やかして君がやっちゃうの?この子が折角自分でやろうとしているのに・・・、この子のために絶対良くないし、過保護過ぎるよ、もうこの子は寝ているだけの赤ちゃんじゃないんだよ~!
君のやっている事はこの子のためじゃなくて、君は自分が周りからどう思われるかばかりを気にしていて、結局自分を良く見せたいだけなんじゃない!」と言われたそうだ。

そして、昨日も自分の母親の所に子供を連れて遊びに行ったら、自分の母親からも「そんなに甘やかしていたら、後で大変な事になるよ!何処でもこの子は好き放題やってしまう子になっちゃうよ!少しは叱らなきゃ~!」と呆れられたと言う。
そして、彼女はボソッと言った。
「私、この子のどこをどう叱ったらいいか分からない・・・」
私はその言葉に驚きながらも言った。
「貴方が何かやる前に、この子をしっかり見ていればいい、ただそれだけでいいと思うよ・・・。それでこの子が今何をしようとしているかとか、何を求めているのかとか、それでもしそれがその場に相応しくなかったら、叱る」

果たして、この母親はこの子を叱る事が出来るようになるのだろうか?

まあ、まだ彼女の子供も小さい赤ちゃんだし、彼女も初めての子供で、彼女はお母さん1年生だから、彼女自身もお母さんとして色々経験しながら少しずつ覚えていくしかない時期で、
今、その自分の子供を『一人の人間として対等に向かい合った方がいい』と私が言ったところで、まだ今の彼女にはなかなか理解出来ないだろうし分からないだろうなと思った。

私は彼女の子供が女の子で、女の子は男の子より大変おませで成長も早いのと彼女の子供の持っている運が自立や自我が強いので、近いうちに彼女の子供の方が早く彼女から自立して、彼女が子供から少しずつ煩がられる状態になれば、少しは彼女も自分の過保護の状態に気が付いて、子供と対等に向かい合わざるを得ない日が来るのかなと思いながら、その時期が少しでも早く来ることを彼女と彼女の子供のためにも今は願うしかなかった。

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