≪可愛い依頼人 NO.1≫

≪可愛い依頼人 NO.1≫

彼女の母親は私の鑑定依頼人で母親とは5年くらいの付き合いになる。
彼女には14歳と13歳の年子の姉と兄がいて、彼女は少し期間があって生まれたので、
今年10歳になる。
彼女の母親は日本人だが、父親はフランス人なので、彼女はハーフという事になるが、彼女の兄弟姉妹は長女と彼女の顔は日本人的で、真ん中の長男だけがハーフ感が強い顔立ちだった。
母親曰く、上の二人を年子で妊娠したため育児が物凄く大変だった事と子育てにはかなりのお金が掛かる事も考えて、久しぶりに妊娠して彼女を授かった時、夫婦でかなり話し合ったようで中絶手術の事も考えたが、やはり縁があって授かったのだからという事で、彼女を出産する事にしたと言っていた。

これが本当に縁と言うもので、父親含めこの5人家族の中で、彼女だけが持って生まれた運のバランスが大変良い運の上に、彼女は頭も良く柔軟性があって、彼女だけが家族のみんなと相性が良いので、彼女が家族間の潤滑油となり彼女の存在が家族を一つにまとめるような形になっていた。
それを家族全員の鑑定を母親から依頼された時に話したところ、勿論産んで良かったと大喜びして、そして現実の話、家族の中で一番小さな彼女がいつも冷静に物事を見ていて、彼女の意見で最後はいつもみんなが納得して落ち着くと言っていた。
そして、これからの3人の子供の教育費の事を考えればお金も掛かり多少の不安はあるものの、とにかく彼女が産まれた事で、家族内の雰囲気も前とは違い凄く明るくなり、夫婦間でも沢山話をするようになって、彼女の母親は心から本当に彼女を産んで良かったと言っていた。

その母親から、久しぶりに鑑定依頼の予約が入った。
そして、「先生、ちょっとお聞きしたのですが、子供でも鑑定を受ける事が出来ますか?」
私は今までも他の両親から頼まれて中学生や高校生の子供自身と対面で鑑定を何度もしているので、「大丈夫!」と言うと、
その母親は電話の向こうでためらっているようで、少し間があってから言った。
「子供って言っても、うちの一番下のおチビちゃんなんですが・・・。私が彼女との話の中で先生の話をしたところ、彼女がどうしても先生に相談したい事があると言い出して、私には相談出来ない事と言っているので・・・、頭が回るので、私では説得しきれなくて・・・。
先生だったら自分の気持ちを理解してくれるって勝手に思っちゃっていて・・・。
まだ10歳の子供なんで、先生もそんなに真面目な感じではなくていいんです。ただ話を聞いてあげて欲しいんです・・・」
その時、私はすぐに思った。
今まで折々に母親から彼女の話を聞いた記憶をたどれば、彼女はただの10歳ではない。
それで、むしろ今まで鑑定した事がある中学生や高校生の事を思い出しながら考えると、多分彼らよりはるかに油断も出来ないだろうし、彼女とはそれなりに対等に話が出来る予感がした。
私はあらためて母親に「彼女なら、普通の鑑定が出来ると思う。是非話をしてみたい、だから大丈夫!」と答えた。
母親はそれを聞いて、安心したせいか少し笑いながら、「本当にくだらない事を願いしてすみません。ちゃんとお金も払いますから」と軽く言った。
私は心の中で思った。
10歳だからと言って、彼女を甘く見ては絶対いけない。

そして、可愛い依頼人は鑑定日に母親に連れられてやって来た。
私が「こんにちは!」と言うと、
彼女はしっかり姿勢を正して私を見て「こんにちは!いつも母が御世話になっています」と言ったので、私は心の中でやはりと呟いた。
それを横で聞いていた彼女の母親が呆れ顔で笑いながら「何、生意気言っているの!すみません」と彼女と私に言った。
そして「先生にあまり迷惑かけちゃダメよ!1時間経ったら迎えに来るから」と続けた。
すると、彼女は私に「先生!終わったらママに電話して貰っていいですか?」とやはりしっかりした事を言った。
私はそれを承諾して、終わったら私の方から電話をするから迎えに来てあげてという事を母親に言った。
彼女の母親は相変わらず呆れ顔で「はい、はい。先生本当にすみません」と言いながら事務所を後にした。

彼女との鑑定が始まった。
彼女の話は大変分かり易かった。
最終的には父親の基本的な性格を知りたいという事だった。
それにはしっかりした理由があった。
彼女の父親は大変子煩悩で普段の日は出張で日本に居ない時以外は、なるべく19時頃には自宅に帰って来て、家族で夕飯を囲んで家族でよく話をする事を習慣にしていた。
父親は日本語があまり得意ではないため、家族とは英語で会話をしている。
そして彼女達子供もイギリス系の学校に行っているので、父親との会話は当然英語で話している。

彼女曰く、
父親が夕飯時に色々な話や冗談を沢山言って家族を笑わせようとしているのだが、その内容が全く面白くなくて、子供には興味がわくものではないようで、長女と長男は全く無視をしていて、彼女だけが無理をして父親に話を合わせて笑ったり質問していると言う。
長女も長男も小学生の頃はよく話を聞いていて、相槌などをしていたようだが、彼らももう中学生になり、「面白くもない話に一々付き合っていられない!」と言って、夕飯時には全く口も利かない状態のようだ。

彼女が二人に「パパが可哀想だから、相槌だけでも打ってあげてよ!」と言うと、
彼らが「貴方が反応しちゃうから、パパも自分の話が全然面白くない事に気が付かないんだよ!私達がみんなで反応しなれば面白くないってパパも気付くのに・・・」と言われてしまい、果たして父親に無理矢理合わせている自分の行動は正しいのだろうかと疑問を持ったようで、又それは父親にとっていい事なのか・・・。
彼女的には無視をするのではなくて、ちゃんと父親に「面白くない」と言うつもりだが、その前にそんな事を言われて父親が傷付くのではないかと心配になり、父親の性格はどうなんだろうという事を考えたらしい。
彼女の話を聞いていて、この子は本当に頭が良いだけではなく、大変優しい子だなと感心した。

それで、私はなぜ母親にそれを相談しないか、彼女に尋ねてみると、彼女は今度は母親に対しての思いやりを見せた。
「先生、パパを見ていると、パパは凄く優しいし凄く真面目で私達の事を大好きってことは凄く分かるの。私もパパが大好きなんだけど、でも本当にパパの話はいつも全然面白くないの、昔から。
それで、私がパパの性格を知りたいと思った事と、もう一つ聞きたい事があって、ママに関しても知りたい事があるの。
ママは平気でパパの話は面白くないってパパに言っていて、私はそれを聞いていると、凄くパパが可哀想になっちゃう。そんなこと言うんだったら、何でママはパパと結婚したのかな~って思っちゃうの。それで、そんな事を私がママに聞いたら、ママも可哀想だから、ママには聞けないでしょ?」
「パパとママが大好きなんだね~」と私が言うと、彼女は素直に「はい」と言いながら何度も頷いた。
「じゃあ、二人の性格から話をしてみよう!」
NO.2につづく

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