≪可愛い依頼人 NO.2≫

≪可愛い依頼人 NO.2≫

それで、私は四柱推命鑑定からの彼女の両親の持っている基本的な性格を例え話をしながら彼女が分かり易いように話した。
やはり彼女は私が「パパはこういうところがあるよ」「ママはこうだよ」と話をするたびに、現実の父親や母親の言動を照らし合わせて具体的に話しながら、「よくパパはその行動をしている!」とか「ママはいつもそう言い方をする!」と言いながら、大人顔負けの反応を見せた。
とにかく理解力もあり頭の回転も物凄く速い。

最終的には彼女は彼女自身の本質の性格の良いところと悪いところも確認して、父親の性格をしっかり把握したようで、父親にハッキリ「面白くない」と言っても大丈夫だと言う結論を自ら出した。
母親の件について、彼女は最後に面白い事を言った。
「先生、ママには絶対内緒にして欲しいんだけどね」と彼女が念を押しながら言ったので、私が「勿論、何?」と言うと、
「私はパパの事大好きで私のパパがパパで良かったな~と思うんだけど、私はパパみたいな人とは結婚はしないし、・・・絶対選ばないな~」
私はそれを聞いて笑ってしまった。

その後、彼女の母親にお迎えの電話をした後、母親の迎えを待っている間に、私は彼女に苦手の事や好きな事などを聞いてみた。

彼女はとにかく今は好奇心旺盛で「何でもやる事が好きだから、あまり嫌な事はないんだけど、算数はちょっと苦手かも・・・」
私は彼女が予想外の事を言ったので少しビックリして
「え~どうして、私は苦手だけど、貴方は凄く好きそうで得意そうだけど?」と言うと、
彼女は大変興味深い話をした。
「先生、例えば算数の問題で、ここにリンゴが30個あります。そして、そのリンゴを6人で平等に分けるとしたら、一人何個になりますか?って問題があるとするでしょう。
私ね、すぐに5個ずつって分かるんだけど、30個のリンゴはみんな大きさや重さも違うと思うの。そうすると、平等じゃないと思っちゃって、数よりそっちの方が気なって、計算した後、凄く悩んじゃうの?それで先生にそれを言うと、『このリンゴは全て重さも大きさも同じです。これは算数だから計算だけすればいいんだよ』って言われちゃうの!でも本当にリンゴは全部同じ大きさで同じ重さなのかな~?」

私はこの感じが凄く良く理解出来た。
と言うのも私も全く同じ感覚だったから。
「先生も同じ事、何度もあるよ!先生ね、今、英会話の勉強をしているんだけど、それでね
例えば『The couple was very sad last year』と言う文があって、日本語の意味は『そのカップルは昨年、とても悲しみました』なんだけど、貴方はいつも英語を使っているから意味わかるでしょ?先生ね、そのカップルに一体昨年何があったのかな~と考えちゃって、その内容の方が気になってしまって、途中で英会話の勉強が出来なくなっちゃうの。それで、その後、カップルの出来事を想像している時間が長いから、いつの間にか、英会話の勉強が中断してしまうんだよ!分かる?」
「わあ~、先生もそうなんだ、凄くよく分かる!でも・・・、そのカップルは別れちゃったのかな~?」
と、彼女もそのカップルの事を心配して言った。

その後、「こういう事もあった」と「あんな事もあった」と二人でお互いの話に共感しているうちに、私は10歳のこの子供が50年以上も生きて来た私の人生の中で私の事をいとも簡単に理解してくれたのかと思うと、物凄く可笑しくなって大笑いしながら、なぜか大量の涙が溢れて来てしまった。
「先生、大丈夫?なんで泣いているの?」それを見ていた彼女は笑っていた私の目から沢山涙が溢れ出ているのを見てビックリして心配した顔で言った。
「すごく今ね、先生は嬉しいの、同じ気持ちの人が居て!だからこれは嬉し涙なんだよ~!」と言いながら、私が彼女の小さな手を握り締めると、
「先生も大変なんだね!」とすかさず彼女が私を慰めるように言ったので、
私は「え~?」と言いながら又大笑いしてしまった。

私達が大笑いしているところに、母親が迎えにやって来て、私達を見て言った。
「この子がこんなに笑うなんて、余程楽しかったのね~?先生ありがとうございました!」
私と彼女は又顔を見合わせて笑った。
その様子を見ていて戸惑っている母親に私は言った。
「ううん、私も凄く楽しかった!今までにこんなに盛り上がった鑑定はなかったと思うくらい盛り上がりました!彼女はとても素敵な依頼人です!」
彼女は少し照れているようだったが、私に片目でウインクをしてみせた。

帰る間際に彼女が言った。
「先生、今度は自分のお小遣いを溜めてから予約を入れるね!」
私が答える前に、それを聞いていた彼女の母親が呆れ顔で言った。
「はい、はい、本当に生意気なんだから!又先生の所に遊びに来ましょうね!」
すると、彼女が「ママ!遊びじゃないよ、鑑定だよ!」と口をとがらせて言ったので、私は又大笑いしてしまった。
そして、私の可愛い依頼人は母親に手を引かれて帰って行った。

その二人の後姿を見送っていると、私の心に長年積み上げてきた重い石の一つがコロッと落ちていく感覚になり、急に身体が楽になった気がした。
それは可愛い依頼人が置き忘れていった私へプレゼントだったかもしれない。

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