≪仲良し親子?≫

≪仲良し親子?≫

私の子供の頃とは、今は生活スタイルも多様化し親子関係もかなり変わった。
所謂世間で言う、『仲良し親子』や『友達親子』が大変多い。
現に私の所に来ている鑑定依頼人が自分の鑑定の後、息子や娘を紹介して来る事も多く、「両親が進めてくれた」と言って、親から私の鑑定の話をじっくり聞いた後で依頼をしてくる。

私の子供の頃は、どんな親でも自分より偉いのが当たり前で、家族の中でもちゃんと年功序列があり、親と子供は全然立ち位置が違っていて、自分の親にその時の自分の感情や状況などを真剣に話した事なんて全くなかった。
重要な話は全て仲の良い友達に話していた事をよく覚えている。
時代も時代で親の方にも生活的に余裕がなかったのも確かだが、
初めから子供の話なんかと言う思いもあったのか、まともに話を聞いてくれず、何を話しても頭ごなしに怒られることが多かったため、子供の方は子供で、いつの間にか親には大切な事でも話さないというのが身についてしまったようだ。
そして、後で色々な事が露見して、物凄く親に怒られるのだが、それはそれで子供なりに学習していて、最初から怒られ反対されるのなら、やってしまってから怒られた方が1回しか怒られないのですむと思い、ましだと考えていたのかもしれない・・・。

何時の時代も親と言うものは大変だと思うが、
私の頃の親は怒ってさえいれば、そのまま子供は黙ってしまっていたので親の威厳が保たれるようなところがあったが、
今の時代は子供の好奇心に情報の多さが加わり、親の方がただ単純に子供を頭ごなしに怒っても、子供の方は自分で得た情報により反撃するすべもあり、親の方もそれなりにしっかりした意見を持って怒らなければ、簡単に子供に論破され、しまいには馬鹿にされてしまう事もあり本当に大変だと思う。

まあ、親も子供だと甘く見ないで、しっかりその子供の意見を聞いて、そして自分の意見もしっかり子供に分かるように伝え、沢山子供と話し合うという事は
親子の関係でも、親の方も子供を一人の人間として尊重して、子供の方にとっても子ども扱いされていない事が分かって、自分が一人の人間としてしっかりしなければという自覚も育てられるので大変良い事だと思う。

今や、情報の多さで子供の行動範囲は大変広がり、親や学校の先生、地域の人達を含めて様々な監視体制を整えても、一人一人の子供の見守りが簡単に出来るような状態ではないのだから、
日頃から、親と子が話し合っていて、親が最低でも自分の子供の行動範囲くらいは把握していれば、何かあった時には早急に対応も出来ると思う。

こう考えれば、時代の変化とともにそれに伴う生活スタイルや人間関係を作り上げていく人間と言うのは本当に素晴らしいと思うし、少しおかしな話だが、今の時代に対して羨ましさも感じる。

ただ、親の中には、『仲良し親子』を履き違えて、現実は子供の機嫌を取っているだけなのに、凄く自分たち親子は仲が良いと思うように一生懸命誤魔化している親がいる。

いつ爆発するか分からない子供に対して、内心ではビクビクオドオドしているのに、
一度聞き分けの良いふりをした時に、子供が色々な話をしてくれたので、すっかりそれを子供と心が分かり合えたと錯覚して、聞き分けの良いふりさえしていれば、子供は何でも話してくれ、子供の持っている時限爆弾のスイッチは押されないと思ってしまっている。

そんな親達も最初はしっかり自分の子供と向かい合っていたのかも知れない・・・。
ただ、日々の子供との戦いの中で、いつしか疲れ切ってしまい、
子供と真剣に向かい合う事を諦めてしまい、一番楽な、そして一番駄目な、聞き分けの良い親を演じる事を選択してしまった。

先日、鑑定した男性が自分の鑑定をした後、娘の鑑定予約を入れてきた。
鑑定予約日の前日、彼からメールが届いて、そのメール内容に私は目を疑った。
「明日は娘が御世話になりますが、娘はいつでも約束の時間通りに行けた試しがないので、遅刻しても許してあげて下さいね」という内容だった。

「遅刻したら、先生の方からも少し厳しく注意して下さい!」と言うなら理解出来る。
身内が言っても聞かないので、他人である周りの人達の力を借りて、教育してもらう、
他人は自分の子供ではなければ、基本子供扱いしないし、子供は他人に注意されたことで
自然に社会の中のルールを知る事になるので、それはそれで大変良い事だと思う。
親として、自分の子供が世間的に迷惑をかけないように守るという事で、子供への愛情を感じる。

しかし、この「許してあげて下さいね!」とは一体どういう事なんだろう。
明らかに自分の子供への機嫌取りで、
自分の子供さえ機嫌が良ければ、自分の子供が他人に迷惑をかけても構わないという事なのだろうか・・・。
この人は自分の子供が可愛くないのかと本気で怒りを覚えた。

私はすぐに返信した。
「私の方は遅刻してもかましませんが、次の鑑定予約の方がいますので、その方に御迷惑が掛かりますから、なるべく時間通りに来て欲しいです」
すると、またまた能天気な笑いと舌ベラを出した絵文字付きで
「ごもっともです!ちゃんと行かせます」と返信が来て、私はこの父親に本当に呆れてしまった。

次の日、案の定、30分以上遅刻して娘さんはやって来たが、「すみません」の一言もなく、本人は気まずいでもなく、全く遅刻した事は気にしていなかった。
あの寝ぼけたメールを送って来た父親があの後、娘に「ちゃんと行くよう」にと言うわけがないと私は思い、娘さんが必ず遅刻して来ると最初から予測をしていたが、やはり本当に遅刻をして来て、全く罪悪感のない娘さんを見て、又私は驚いてしまった。
多分、いつも父親が先回りして、「許して下さいね!」を連呼しているのだろう。
その為に、誰も娘さんを注意する人もいないので、娘さんは遅刻しても謝り方も知らない状態だった。

私は娘さんが本当に哀想だと思った。
父親は娘を愛しているのは分かるが、愛し方をすっかり間違ってしまったようだ。

彼女は既に社会人になっていて、今は両親とは離れて暮らしている。
私はその彼女に話の中で、普段会社に遅刻しないで行けているのかと尋ねると、一人暮らしで誰も助けてくれないので、約束時間より1時間以上前に色々な事を設定して、どうにかやっていると言った。
彼女は彼女なりに世間の波に揉まれながら成長していた。

今回の鑑定予約は又父親が彼女の機嫌取りで、鑑定の話をして予約を入れたと言っていた。
その為、彼女からは鑑定に対しても積極性が全く感じられなかった。
と言うより、彼女と話をしていて、機嫌取りで勝手に予約を入れた父親に対して彼女が怒りを感じているのは明白だった。
彼女の話で分かった事は、彼女が高校の時に反抗期で登校拒否になり、それ以来、父親は彼女に対して機嫌取りばかりの対応になり、子供への愛し方をすっかり誤ってしまったようだった。
案の定、二十歳を過ぎた彼女の方は社会人になり、そんな父親の言動を冷静に見ていた。
哀れなのは父親の方だった。

それぞれ様々な事情があるのも分かる。
ただ、この父親は娘としっかり向き合う事を諦めて逃げてしまったようだ。
父親は50歳を過ぎていて、今更ながら、考え方を変えるというのはなかなか難しいが、
娘さんが社会人となり、今は両親と離れ一人暮らしをして、今は少しずつだが、社会のルールを少しは尊重しないと、自分の我が通せない事を勉強している最中なのが唯一の救いだった。

彼女も社会人になって4年目になる。
子供もいつしか大人として成長する。
今の彼女は昔の娘さんとは違い、社会の中で彼女なりに一生懸命生きて、社会のルールを今学んで成長している一番大切な時。
この父親がその娘さんの変化に気が付かないまま、
今もまだ昔と同じように、娘さんと真剣に向かい合う事をしないで逃げてしまっているかと思うと、本当に残念で哀れな気持ちになった。

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