「運命の扉 NO.16」 ~ マザコン男の反乱 ~

『運命の扉 NO.16』 ~ マザコン男の反乱 ② ~

1週間後、息子さんが一人でやって来た。
これも電話で私が「一人で来させて下さい」と言わなければ、
お母さんは付いてくる気になっていた。
「お母さん、子離れするんでしょ!息子さんは子供じゃないんですよ、一人で来させて下さい」

息子さんは一度結婚したが、離婚していて子供が一人いた。
離婚の理由は言わなくても分かるように「マザコン」なのだが、
本人も母親も全くその事が原因だと思っていなかった。

又せっかく勤めていた大手商社も辞めていた。

彼の運勢は過保護運がかなり強く現れていて、その為に本人の意志や気持ちが
流されがちで、根が無いような状態だった。
しかし時期的に20代半ばからは本来の根が入り、力を発揮できる運なので、
本人さえ確りすれば充分過保護運から脱皮でき自分の力で歩いていける運なのだが・・・。

小さい頃から一人っ子で身体が弱かったせいもあり、母親は必要以上に愛情を注ぎ、
その反動で息子は中学高校と登校拒否になり家庭内暴力を振るっていたらしい。
その時父親は仕事の関係で家を空ける事が多く、
母親が一人で彼を育てなければならなかった。
家庭内暴力で暴れる彼に何の対処も出来ず、ただただ甘やかし嵐が通り過ぎるのだけを
待つしかなかった母親と息子の「ツケ」が今回って来ているのだ。

すべてを母親に頼る「マザコン」の息子。
すべてを息子に捧げる「子離れ出来ない」母親。

30年以上、そうやって生きてきた二人には本当に長い時間で、
今更その関係を崩す事など一度だって考えた事さえ無いだろう。
この二人に出来るのだろうか?
「親離れ」と「子離れ」が・・・。

私は鑑定しながら、さり気なく息子さんにも「親離れ」する事を勧めたが期待は出来なかった。
彼はその時は静かに話を聞いて帰って行った。

その日の夜の事だった。
「先生、大変なんです!息子が暴れているんです。
自分の事は自分でやれって、どういう事なんだよう!って。
どうしたらいいんでしょうか?」
電話の向こうの母親のその声は家庭内暴力の再来に怯えていた。

「お母さん、落ち着いて下さい。放って置きなさい!
今ここで、誰かが何かをしてしまったら、息子さんは、自分で考える事を一生しなくなりますよ。
暴れても、お母さんは平然としてなさい。息子さんは、大人なんですから」

「分かりました。やってみます」
「少し経って収まらない様だったら、又電話下さい」
私に話した事で少しホッとしたのか、お母さんはそのまま電話を切った。

私は心配ではあったが、最初に一歩を踏み出せば必ず上手くいくという事を信じた。


②につづく

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