「運命の扉 NO.21」 ~ 年下の男の子 ~

『運命の扉 NO.21』 ~ 年下の男の子 ① ~

女性の寿命は男性の寿命より遥かに長くなっているので、
当然の事ながら女性が年下の男性と結婚してもおかしくない。

事実テレビでも年の差カップルの番組等に女性が男性より10歳以上年上だとか、
巨人軍にいたペタジーニ選手も友達のお母さんと結婚したりで、
まさに年上女房が巷(ちまた)に本当に多くなっている。

そしてあくまでもテレビ番組の中での話だが幸せそうな二人が映し出されている。
結婚して生活を始めればそれなりに上手くいくのだろうと思う。

しかし問題は結婚までに行き着く事にある。
よく結婚は「タイミング」だと言う。
相手がいる事なので自分だけが結婚したくても結婚には行き着かない。

ましてや女性29歳、男性が25歳では難しいのかも・・・。


「先生、この人の結婚時期について教えて下さい」
席に着くなり彼女は自分の事より付き合っている彼の生年月日を私に告げた。
「チョット待って!貴方の鑑定書を説明した後じゃ、駄目なの?」
「予約の時、言っておけば良かったんですが御願いします。私より彼の結婚時期が
知りたいんです」

私は仕方なく彼の鑑定書を作り始めた。
彼女は私が鑑定書を作っている間、何か唱えるようにブツブツと独り言を言っていた。

「ハイ、お待たせ。でも、鑑定書を作っただけで、
その後は、チョット考えさせて欲しいんだけど・・・」
「いいです、待っています。やって下さい、先生!」


「さぁ~てと、彼の結婚の時期か・・・、あれ~、彼、まだ25歳だから、まだ全然早いね!」
「え~、直ぐに結婚出来ないんですか?」
「だって早いでしょ、まだ!」

私はすっかり彼の鑑定書の方に気を取られて彼女の年の事を忘れていた。

彼女は29歳で、所謂30歳までに結婚したいという希望を持っていた。
さり気なく彼に結婚の事を匂わせているのだが、いっこうに彼が何にも反応しないので、
痺れ(しびれ)を切らして鑑定をお願いしたという事だった。

「私12月には30歳になっちゃうんです。とにかく誕生日までに結婚したいんです」
彼女のこの気持ちはよく分かる。
ただ結婚は相手がいる事だから・・・、彼女の気持ちだけではどうする事も出来ない。

彼女と彼は同じ職場の同僚だった。
当然彼女は彼の先輩だし、職場の仲間は二人の交際を知らなかった。
彼はまだ入社3年目で、社内では最近やっと一人前に見られるようになったばかりである。
彼女は25歳過ぎあたりから、既に同僚の女の子達が結婚退職していくのを何回も
見送ってきた。

彼女にも結婚話が過去に無かったわけではない。
ただ、まだ早過ぎるとか、もっと良い相手が現れるのではとか、仕事が面白かったとかで、
気が付けば同期の女の子は自分一人になっていた。
所謂「タイミング」が合わなかったのだ。

一時は仕事で重要なポジションも与えられキャリアウーマンとして生きていこうと思った事も
あったが、彼女の結婚願望は30歳を前に蘇えり、今や結婚まっしぐらにと加速していた。

そんな中で二人の交際は一昨年の忘年会で帰りが一緒の方向だった事から始まったという、
よくあるパターンだった。


②につづく

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック