「運命の扉 NO.23」 ~ エンゲージリング ~

『運命の扉 NO.23』 ~ エンゲージリング ① ~

彼女の前髪をかきあげた左手の薬指には婚約指輪のダイヤモンドが夕陽を受けて
輝いていた。

彼女は3年くらい前に初めて私の所に鑑定に来た。
3年間で六回鑑定に来ているので、大体半年に一回は彼女に私は会っている事になる。
又彼女は筆まめと言うか、メールまめだったので、この3年間で彼女とのメールのやり取りは
かなりの数になっていた。

「新しい彼が出来ました」
「付き合ったのですが、あまりにも自分と合わないので別れました」
「今落ち込んでいます、失恋しました」
「どうしたらタイプの人と出会えるでしょうか?」
「お見合いをしました」
「ショック、彼には彼女がいました」
「何だか、毎日がつまらないのですが・・・」等。

彼女は何か変わった事が起こると、私に真っ先に報告をしてきたりアドバイスを
求めたりしてきていた。
又、何も変わらない普段の暮らしの事や日々の出来事などを逐一メールに綴ってきていた。
私はメールを頂くと必ず返事をしているので、彼女が別に悩みが無い時でも、
その都度関連する話を書いてはメールを返してきた。

そんな彼女にも1年くらい前に新しい彼が出来て、着実に結婚に向かって交際は続いていた。
時々送られてくるメールの内容もただの恋愛話から、
最近ではかなり結婚を意識した具体的な話になってきていた。

年齢の事もあって、子供を生みたいと考えていた彼女はメールでも本当に嬉しそうだった。

占いで鑑定しても二人の相性は大変良く、私も彼女からの楽しいメールに安心していた。
この三年間の事もあってか、彼女の事は本当に身近に感じていたので私も身内の事のように
喜んでいた。
私に会いに来た彼女は一段と綺麗になっていて、幸せなのが周りからもよく分かった。

そして彼女から1ヶ月前に届いたメールにはとうとう婚約した事が弾んだ文で書かれていた。
私は御祝いのメールを直ぐに返した。

そんな彼女から、突然暗いメールが届いた。
内容は書いてなかったが、予約を入れたいとの事だった。
明らかに文面は落ち込んでいる様子で、私は急に不安になり、無理矢理予約を早めに
入れた。

「マリッジ・ブルーなのかな・・・?」
私は心配になりながらも、反面結納も無事済ませたという事を聞いていたので
破談になったという事は無いだろうと思った。


②につづく

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