「運命の扉 NO.31」 ~ 復活愛にかける女 ~

『運命の扉 NO.31』 ~ 復活愛にかける女 ③ ~

「復活したいんなら、彼にチャント告白しなきゃね・・・、何て言って復活するか、考えよう!」
「エッ、だってダメなんですよね」
「占い的にはって、言ったでしょ。このままより前に進んだ方がイイと思うから・・・、
彼に告白しよう。そうしたら復活出来るかもしれないじゃない!」
「でも・・・」
「でもじゃないよ、復活したいんでしょ?
夢の中で復活したいって言っていてもしょうがないじゃない」
彼女は黙ってしまった。
「もう3年も夢の中で言い続けているんでしょ?これ以上時間を使うのは無駄だと思う。
もう充分彼の事を思い続けてきたんだから、その思いを彼にぶつける時だと思うよ。
でなきゃ、それこそ、この3年間の思いが無駄になるじゃない!」
彼女は考えていた。
そんな彼女に私は最後の一言を言った。
「彼と復活するには、どうしても彼の気持ちが必要になるでしょ。
彼の気持ちがなきゃ、復活出来ないよ!私が言っている事分かるでしょ?」

そんなこと言わなくても彼女には充分過ぎるくらい分かっている事なのだ。
この3年間、その思いだけで彼女は生きてきたんだから。

私の横で彼女の心臓の音が大きく悲鳴を上げていた。
私がその音に居たたまれなくなって、彼女に声を掛けたと同時に彼女の声が一つの結論を
出した。

「今直ぐ、答えを出す事はないよ・・・」
「今ここで、彼に電話してみて聞いていいですか?」
「えっ?」
「一人じゃ、言えない・・・」
彼女の顔はしっかりしていた。
「うん、いいよ。一緒に聞いていてあげるから、頑張って」

そして彼女は3年前から一度も掛けていない、錆び付いた電話番号に電話をした。

4回目のコールで彼は電話に出た。
「あっ、私・・・」
研ぎ澄まされた静寂の中から、電話をしている彼女の隣にいた私にも彼の声が
はっきり聞こえた。
「ああ、元気?」

同じ会社に別れた後でも3年も一緒にいて、すれ違ったりしているんだから元気もないだろうと
私が思った瞬間、彼女もその言葉の意味を悟っていた。
少しの沈黙の後、遠い昔の男に彼女は言った。
「あの時、さよならって言ってくれなかったから・・・、貴方のさよならが聞きたい・・・」
既に標本化された男の声が遠くで言っていた。
「さよなら・・・」
そしてツーツーとゲームオーバーの合図が彼女の恋に幕を降ろした。

携帯電話を置いた後、両手で顔を覆いながら彼女は独り言のように震える声で言った。
「私、何でもっと早く彼に聞かなかったんだろう?あの時、たった一言さよならって彼が・・・、
言ってくれれば・・・、終われたのに・・・」
私は泣き崩れる彼女の背中をさすりながら、
「今、終わった、今チャント終わったんだよ。大丈夫、大丈夫、大丈夫だから」
と言い続けた。
30分くらい泣いた後、何回も何回も「ごめんなさい」と「すみません」を繰り返して
彼女は帰って行った。

彼女の帰り姿を見送りながら、落ちていた「やっぱり」と「さよなら」を拾い、
私と似ているなと思った。
そこには女のプライドという破片が沢山刺さっていた。

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