≪人間関係 親友の夫 NO.3≫

≪人間関係 親友の夫 NO.3≫

その後、気まずい雰囲気の中、依頼人の彼女の携帯電話が急に鳴りだし、それで私は少しホッとした。
「あっ、先生、お客様の御予約電話なので、ちょっと出ても構わないですか?」
私が「いいわよ!どうぞ、どうぞ」と言ったと同時に、親友の旦那が彼女に向って言った。
「カモ?」
その瞬間、彼女の顔が見る見るうちに鬼の形相に変わった事に私はすぐに気が付いた。

私の依頼人の彼女の仕事はネイリストで、10年くらい前に独立して自分で店を持ち、彼女も10年かけて常連さんを作り、やっと今では少しは安定した収入を得る事が出来るようになったが、この10年は彼女の苦労や努力は並大抵のものではなくて、私も自分自身が個人事業主なので、特別な思いで彼女を応援してきた。
私は親友の旦那が全く予想もつかなかった言葉を発したので、最初は全く何を言っているか分からなかったが、その後、又続けて旦那は言った。
「又、カモからの電話か~!」

その旦那の言葉に私は物凄く不愉快な気持ちになって、とうとう我慢しきれずに立ち上がり声を荒げてしまった。
「いい加減にしてよ!貴方、何言っているの!カモって何?失礼じゃない!彼女のお客様よ!貴方は物凄く不愉快!貴方、彼女のお客様をカモだと思っているという事は、彼女の仕事を馬鹿にしているの?自分で言って事、分かっているの?」
あまりにも私の強い言葉に、旦那は初めて場の空気が悪くなっている事に気が付いたらしくて、口を半開きにしたままビックリした顔をしていた。

そして、周りの席のお客様方も私達の会話を聞いていたので、私達のテーブルの様子がおかしい事に気が付いたようで少し騒めき始めた。
それと同時に店のボーイさんも私達のテーブルの傍に来ようとしていた。
すると、何故か、親友が急いで立ち上がり、「本当に、本当申し訳ございません!」と頭を下げた。
その瞬間、電話中だったはずの私の依頼の彼女が「なんで、あんたが謝るのよ!謝るのはあんたの旦那でしょう!」と親友に向かって言って、そして、次にすぐに彼女は私の手をひいて「先生!気分が悪いから出ましょう!」と続けた。
私達はそのまま店を出たが、その時、彼女の親友は頭を下げたままだったので、私には親友がどんな顔をしていたのかも想像でしか分からないが、私は親友の左の頬に涙が流れるのを見た気がした。

そして、外まで見送りに来た店の店主と思われる人が私達に向かって言った。
「ありがとうございました!いえ、言ってくれてスカッとしました!
うちもお客様商売なんで、ある程度の事は我慢するし、なんたってお客様が命ですからね。
経営者として失格です、こんなこと言って、本当に申し訳ございません!
でも、彼だけはね・・・、
全く毎回毎回物凄く不愉快な事を誰にでも平気で言うんですよ、あの人!
私達の事も水商売って言ってしょっちゅう馬鹿にしていますから!」
そう言いながら、その人は頭を掻きながら苦笑いをしていた。

後で分かったのだが、
あの旦那の「カモ!」発言は前にも彼女に対して何回かあり、特に彼女が一番大切にしている仕事の事だったので、「私の仕事自体を本当に馬鹿にしている!」と言う思いが強く、物凄く不愉快な思いと怒りがこみ上げたが、彼女も親友のために我慢してきたそうで、
今度、旦那が又同じ事を言ったら、親友とは縁が切れても構わない覚悟で今度こそハッキリ旦那に意見をするつもりだったようだ。
そして、あのお店でも、いつも従業員に対しても偉そうな態度をするので、親友の旦那はお店の方々からも物凄く嫌われていて、店から親友も旦那を連れて来ないで欲しいと言われたこともあったそうだ。
まあ、鑑定通りの、そして噂通りの旦那だったのだ。

その後、親友の旦那は公務員を辞めて、一般の会社に勤めたがすぐに首になり、それを何回か繰り返している時間の中で、親友の御両親も入退院を繰り返しているうちに亡くなり、親友は、これで旦那に対して、もう肩身の狭い思いをしなくてもすむようになり、晴れて離婚も可能となったのだが、
私の鑑定でも、その時には既に親友の気のパワーは物凄く弱い時期に入っており、親友自身が現状にすっかり慣れてしまっていて、もう離婚する気力もなく、親友自身も既にそれを望んでいなかった。

私の依頼人の彼女は親友を心配して、何度も離婚する事を勧めたようで、親友も一旦は離婚覚悟で家を出て彼女の所に引っ越してきて半年くらい彼女と暮らしたりしていたようだったが、結局親友は旦那と別れ切れずに、いつの間にか旦那の所に戻ったようで・・・、
最後は「もう腐れ縁だと思って付き合っていくしかない・・・」と言う親友の言葉に彼女も納得するしかなかったようだ。

「先生!彼女は東京での仕事を続ける事が出来て会社に席がある状態だから、1ヶ月に1回は必ず東京に来て、1週間くらいは東京に居るの!旦那は公務員を辞めた後、何件か会社変わっていたけれど、結局、一般の会社は何処も無理で、結局、表向きは自分の両親の面倒を見るとか言って、田舎に帰る事にしたみたい。旦那は田舎の徳島に帰れば、東京とは縁がなくなる筈だから、余程何かなければ東京に来る事はないと思う。とにかく、もう二度と親友の旦那とは会いたくないし、会うつもりも絶対ない!」
そして、最近、久しぶりに親友が明るい声で彼女に言ったそうだ。
「東京に行く時は貴方の家に必ず泊まるから、よろしくね!」

親友の旦那が田舎に帰る事を決心した時、彼女の親友が離婚をしないで旦那と一緒に田舎に付いて行く事を決めた事に、私は少し疑問を持って彼女に聞いてみた。
それも親友の旦那が「今まで自分は親友の両親の面倒を見てきたんだから、今度は自分の両親の面倒を見るのが当たり前」だと言って、親友の意見など一切聞かず、マンションをさっさと勝手に売り払ってお金を自分の物にしてしまったと言う。

最後の最後まで、旦那はどうしようもないが、果たして親友も旦那に逆らって離婚をしたかったかと言えば、これも疑問である。
なぜなら、親友の運も一度縁が出来ると、なかなか自ら離れる事が出来ない運を持っているのだから。

それでも、ともあれ、彼女と親友の旦那との戦いは一旦終止符を打った。
唯一、最後に残ったものは彼女の親友に対しての思いだけは本当に純粋で本物だった。
私はそこまで彼女から思われる親友の事が少し羨ましい気がした。
彼女も親友も、もう来年は50歳を迎える。
「どうぞ、穏やかに楽しい時間を・・・」と願わずにはいられない。 


雅沙羅 公式サイトhttp://www7a.biglobe.ne.jp/~gakuya/
鑑定予約 sala-gakuya@kuh.biglobe.ne.jp
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